大きな何かが作られていく

結城浩

2001年10月31日

9個目のお話を、ゆっくり丁寧に書いていく。 ちょっとしたミスが見つかり、よりよい解法が見つかる。 とても楽しい。9個目のお話を書きながら、 12個目のお話——最後のお話——のことも視野に入れる。 別に推理小説を書いているわけではないけれど、 伏線というものはやはり必要だ。 その章の文脈の中で語るべきことは語っておく。 ところがその内容は、その章だけで終わるのではなく、 他の章の、一見まったく異なる部分とうまく呼応し、共鳴する。 そんな本が書けるといいのだが。

文章が、 あっちの章やこっちの節と響きあって、 豊かな広がりをもった和音となっていく。 深く知的な喜びを生み出す。 うまく一言では表現できないけれど、 部分は美しく、全体も美しい。 無駄なものはなく、大きな何かが作られていく。 最初は無駄なもののように思われたものまでが、 意外な趣を添えている。

…そんな本を書きたい、と願っている。

創り主なる神さまが御手を触れてくださいますように。