文章教室紹介

結城浩

2002年1月11日

「文章教室」。

第1回の問題編と解答編が終わり、現在は第2回の問題編を公開している。 この企画も(予想以上に)たくさんの人から受け入れられたようで、とてもうれしい。 投稿者に感謝。

文章のうまいへたなんかは、あまり問題ではない。 大事なのは「書いてみようかな」と考え、実際に「書いてみる」ことなのだ。 はじめはうまく書けなくても、 書いているうちにだんだんうまくなってくるものだ。 でも書かなければ、決してうまくはならない。

文章を「読む」のと「書く」のは大違いである。 料理を「食べる」のと「作る」のが大違いなのと似ている。 料理を食べて「まずい」と言うのは誰にでもできる。 なかなかできないのは実際に手間ひまかけて作ってみることだ。

「文章教室」の投稿者のうち多くの人が、 「意外に難しいものなんだ」と書いている。 私はそれだけでも大きな収穫ではないか、と思う。 でも、そこで難しいからもうやめ、とするのではなく、 自分なりに面白みを見つけて、もっといろいろ書いてくれたらいいなあ、 と思っている。 意外に難しいけれど、やってみれば何とか形になるもんだし、 パズルみたいで妙に楽しいし、心や頭が活性化してくるし。

インターネットがこれだけ広がって、 簡単にWebページを持つことができて、 自分が書いた作品を気軽に公開できるって、 とても楽しい時代ではないかと思う。 自分が感じたこと、考えたこと、 見つけたことを文章にして公開する。 そしてその文章に共感する人とのやりとりが始まる。 そういうのってとても楽しいと思う。 単純にお金を出して楽しみを「買う」のではなく、 自分の手を動かして楽しみを「作り出す」感覚とでもいうのだろうか。

この「文章教室」が、 あなたの世界を広げるきっかけになるといいなあ。