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クリスマスイブだ。 スーパーでもらってきた風船が割れてしまったので息子がぐずっている。 息子「もう一個、もらって来ようよう」 そこで教会学校のクリスマス祝会に行く前にスーパーに寄ってみる。 幸い一個だけ残っていたので、息子は大喜びである。 息子「よかったね。一個だけあったね」 私「これから教会に行くから、おうちに置いておこうか」 息子「?」 私「教会は人がたくさん来るでしょ? パアン!って壊れたらいやでしょう? おうちに置いておいて、後で遊ぼうね」 息子「うん、そうする」 風船を家に持ち帰り、教会に出かける(かーたん、この風船、見ててね)。 教会学校の先生からクリスマスのお話を聞く。 みんなでページェント(イエス生誕劇)の練習をする(息子も「羊その4」で参加)。 練習のあとはみんなでおやつ。チョコレートにクッキーにリンゴとココア。 ちいさなリースのブローチをもらい、家に帰る。 私「さ、おうちに帰ったら、お手々を洗って、うがいして…」 息子「はーい」 息子は台所に行って手を洗いはじめる。 体調を崩して寝ていた家内に祝会の話をしていると、 台所から「パアン!」という音と息子が大音量で泣き出す声が聞こえてきた。 どどどどと息子がやってきた。風船が割れたショックでもう涙、涙…。 ぎゅううっと抱きしめてやる。 私「風船、割れちゃったの?」 息子「…(ぐすっ)…もう一個…(ぐすっ) もう一個、もらって来ようよう…(ぐすっ)」 私「…あれ、最後の一個だったんだよ」 息子「それでも…(ぐすっ)…もらって来ようよう」 私「…」 息子「ねえ、もらって来て!」 私は息子を抱きしめながら、 こんなに早く割れるなら、教会に持っていかせた方がよかった、 もしかしたらその方が長く遊んでいられたのに、 と胸が痛んだ。 もちろん割れた風船は風船にすぎないのだが、 息子にとってはまるで世界の終わりのように思われるだろう。 もちろん時が経てばすぐに忘れるのかもしれないが、 今のこの涙は、本当の涙なのだ。 私は息子を、もう一度強く抱きしめる。 メリークリスマス。
(1997年12月24日の日記から)