プロジェクト杉田玄白

結城浩

2000年6月28日

検索エンジンで「杉田玄白」を検索すると、 本当の杉田玄白とともにプロジェクト杉田玄白が結構見つかる。 個人ページで言及している場合もあるし、 翻訳・フリーテキスト・技術文書関係のリンク集に登場する場合もある。 Webへの浸透度はなかなかのものである。

結城はプロジェクト杉田玄白を応援している。 もっと多種類に渡る翻訳がオンラインで自由(フリー)に読めたらいいな、と思う。 もっとどんどん翻訳する人が増えたら楽しいだろうな、と思う。

例えばこういうのはどうだろう。 個人でWebサイトを立ち上げている人、 ネットで自分の活動を宣伝したい人は、 自分が関心を持っている分野の文章を翻訳する。 そしてそれをプロジェクト杉田玄白に登録しちゃうのだ。 そうすれば杉田玄白から自分のページにリンクが張られる。 つまり、プロジェクト杉田玄白を自分の活動の宣伝の場として利用するのだ。 杉田玄白が有名になってくれればくれるほど、 自分のサイトへの訪問者も増えてくれる(はず)。

ネットはまさに "AS IS" の世界。 肩書きも学歴も関係がなく、 作品を現物として「ほら、どうだ」と提供したもの勝ちである。 作品を広く募っているサイトをうまく利用して、 自分をアピールする場とするのだ。

青空文庫も見てみよう。 そこに登録されているシャーロックホームズの翻訳は、 何と、高校生の大久保友博さんが行なっているのだ。 1982年生まれだって。すごいなあ。

こう言っちゃなんだけれど、 (1963年生まれの) 結城が登録している『幸福の王子』や『最後の一枚の葉』なんかは、 学校の英語の時間で翻訳させるようなやさしい文章である。 「はい、作品でございます」というほどたいそうなものじゃない、と考えることもできる。 でも、いいのだ。 ささやかな翻訳であっても、 それは私なりの杉田玄白へのエールだし、 また自分のサイトの宣伝でもあるのだ。

ですから、これをお読みのみなさんも、 翻訳やりましょ、やりましょ。 英語のテキストは、 プロジェクトグーテンベルグなどにうなるほどあります。 (誰か『赤毛のアン』やらないかなあ) そして翻訳したあかつきにはプロジェクト杉田玄白へご登録くださいな。