CGI本の初校読み

結城浩

1997年12月2日

『Perlで作るCGI入門 基礎編』の初校を読んでいる。 今週末の編集者との「読み合わせ」の準備である。 ほぼ本のような体裁に段組が整った文章を読むと、 テキストエディタ上で文章を読むのとまったく異なる印象を受ける。

はじめから順に読み、ていねいに読み、朱を入れていく。 朱入れを分類してみよう。

  • 言葉が足りないところを補う(主語を補う、目的語を補う、指示語を展開する…)(これが一番多い)
  • 文末を調整する(です。なのです。ですね。ですが、…です。)
  • 参照関係を付加する(付録Xを参照。123ページを参照。図1-23をみてください。)
  • あいまいな表現、もたついている表現を削除する(○○というようなことを → ○○を)
  • 各種の「統一」を行う(見出し表現のゆらぎなども)
  • 索引項目のマークつけ

すでに編集者の厳しい目を一度通っているため、 (私に見つかる)誤字・脱字のたぐいはほとんどない。 感謝なことである。

読みながら、ちまちまちまちまと朱を入れていく。 本当に赤ペンで書き込んでいくのだ。 一個の修正でコンマ何パーセントか、本の可読性が増していく。 限られた時間の中で少しでもよいものにする、 というのが私と編集者のミッションだ。

私と編集者は同じテキストを手にしている。 「読み合わせ」までに与えられた時間も同じだ。 読み合わせまで、両者が必死になって「読み」、 気になるところや引っかかるところを「見つけ」、 よりよい改善方法を「考える」。 そして「読み合わせ」の場に両者がその成果を持ちよるのだ。