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単語帳4 - *単語帳4

目次

単語帳4

by YomoYomo

単語帳単語帳2単語帳3の続き。


sell

もちろんこの単語の「売る」という意味を知らない人はいないだろう。しかし、この単語は単なる売買に留まらない意味を持っている。

それは金銭のやり取りに関係ない「売りこみ」という行動としての"sell"である。つまり、医者は病気を売りこみ、宗教者は天国を売りこみ、地方政治家は道路と橋と箱ものを売り込む。

これは、大昔に角川から出ている「ポケットジョーク」シリーズのいずれかの後書きに載っていた話である。西欧人が(日本人より)プレゼンテーションに長けているのは、この「売りこみの文化」に常に接しており、自身が生きていくためにもいろんなことを他に売りこんでいるからだ、というわけ。

それを思い出したのは、Wikiの導入事例に関するセクションのタイトルに「Selling in a Wiki」というのがあったため。もちろんここのsellはお金の話ではない。それに成功したら…

Finding the wiki easy to use, they were quickly sold.

となる。


online

いや、大した話ではないのだが、このonlineを「オンライン上で」と訳して、何か違和感があった。考えてみれば、これは"on line"ということなのだから、「上」は余計なはずだ(でも、確かにonlineを「ライン上」とは訳さんわな)。

しかし、ふと思い立ってGoogleで調べてみると…

http://www.google.com/search?q=%83I%83%93%83%89%83C%83%93%8F%E3&hl=ja&lr=

35500件がヒットするのだな(笑)。こうなると、俄然「オンライン上で」の方がしっくりくる(いいのか、おい)。うーん、言葉って難しい。


some half-dozen

数の多さを表現するのに、fewとかsomeとかmanyとか使うわけだが、基本的には、

few <= a couple of <= a few <= several <= many

と思っている。ただこれも注意がいって、「a couple of」は基本的には2だけどそれより多い場合もあるし、severalは「いくつか」というより「たくさんの」と訳した方がよい場合もある。そうした意味で「some」って「いくつか」とか訳すけどファジーだねえ。

そして単位となると、10進法以外でも代表格となるとこのdozen。

で、「some half-dozen」となるとどう日本語に訳すべきか。英語だとこれでいいのかもしれんが、うーむ微妙だ。なんとなく「数十」と書きたくなるが、この場合単位が6なので、数十まではいかんのかも。しかし「10〜30」とかとすると範囲広すぎだしねぇ。

そうそう、何故そう思ったかというと、以下のような文章で出てくるのですね。

In that first academic term, almost 1,000 students used the CoWeb? across some half-dozen classes.

最初に「大体1000人の生徒」というのがあったので、「それじゃあクラスの方は数十だろう」と反射的に思ったのですね。でもこれだと1クラスあたり学生数が160名を越えるのだが、ホントか? アメリカの大学(この場合、ジョージア工科大学)ってそうなのか?


... of varying quality and age

言いたいことは大体分かるのだが、正確な訳語が出てこずに Google で調べてみたところ、PerlのDBIのFAQにこの言い回しが出てくることが分かった。もしや! と思い、Hippo2000さんのサイトに直行。

:河馬屋二千年堂: http://member.nifty.ne.jp/hippo2000/

すると案の定日本語訳が存在(http://member.nifty.ne.jp/hippo2000/perltips/DBI/FAQ.htm)。なるほど、「年代も品質もバラつきがある」か。ありがとう、Hippo2000さん!

一応参考まで引用。

:原文: These articles are of varying quality and age, from the original Perl Journal article written by Alligator and Tim, to more recent debacles published online from about.com.

:Hippo2000さん訳: これらの記事はAlligatorとTimによって書かれたPerl Journal記事から、より最近のabout.comからオンラインで流れた大失敗まで、年代も品質もバラつきがあります。


"choose-your-path" game

ネットワークゲームの例として、この言い回しがぽつんと置かれていたのだが、これどういったゲームのことを指しているのだろう。迷路ゲームのことか? 選択式アドベンチャーゲームのことか? でも両方ともネットワークゲームじゃないような。ご存知の方がいたら教えてください。

:Webアドベンチャー(リンク集): http://www.ceres.dti.ne.jp/~mayo/linkto.html#adv


clone, variant

Wikiについては、本家であるWard Cunningham作のWikiを「original Wiki」「Ward's Wiki」と言い、それにインスパイアされて作られたソフトウェアをWikiクローンという…が、現在ではWikiエンジンの方が通りやすいようだ。

やはり「クローン」という単語の持つネガティブな意味合いも影響しているのだろう。「○○クローン」という言いまわしはソフトウェアの世界では珍しくはないが、そもそもそれを知らずに自分が苦労して作ったソフトウェアを「クローン」と呼ばれたら、むっとするんじゃないだろうか。

ただWikiWayは2000年に執筆されたものなので、「wiki clone」が殆ど。翻訳もまあ、従うしかない。あと少し「wiki variant」があったりもする。これも結構翻訳しにくい。variantを直訳したら「変種」「変形」「変異体」…これは「クローン」とは別の意味で誤解というか、変な感じというか…僕の頭の中ではクローネンバーグの作品の映像断片がいろいろと浮かぶのだが、僕の感性がおかしいのかな。

「バリエーション」という日本語化した表現を適用したり、「wiki clone」と等価なものは無理せず「クローン」と置き換えたりして訳している。


on the fly

はじめ訳すのにてこずった言い回し。

辞書で引くと、「飛行中に」「大急ぎで」といった意味が出てくるが、例えば、YukiWikiだとページデータはwiki記法で書かれたテキストファイルとして格納される。それに対して閲覧リクエストがあると、それを on the fly にHTMLページに変換し…というように使うのですな。

つまりそういったCGI関係のコンテキストでは、「動作中に」「動的に」「その場で」といった訳にすべきだろう。


hacker

hackの次に来るのはやはりハッカーであろう。これを簡単に定義しようとすると事態が複雑に紛糾してしまうわけで、やはりここはいくつかリンクを示して逃げておく。

:ハッカーになろう(by ESR): http://cruel.org/freeware/hacker.html :Jargon Fileにおける"hacker"の定義: http://tuxedo.org/jargon/html/entry/hacker.html

そして例によって山形浩生の「hackについて」も重要。ここに書かれるハッカーとクラッカーの重なり合う領域の話については、読んだ当初はどこか反発したい気持ちがあった。一方で「ハッカーは、クラッカーじゃない」などと声高に主張することにも違和感があった。山根信二さんは尊敬している人であるし、件の運動についてもそれなりの意義はあったのだろう。しかしねぇ…

:"ハッカーは、クラッカーじゃない。"と主張する会: http://www-vacia.media.is.tohoku.ac.jp/~s-yamane/hackersML/

ただ大分前にofficeさんの文章中の「ハッカー」の用法に噛み付いたことがあって、このときはまだ件の言葉の使い分けにこだわりたい気持ちがあったのだろう。しかし、今になってみるとどうでもよいことにこだわっていたのかなとも思う。

で、WikiWayには三箇所この単語が出てくる。一番目は、この本に収録されたソースのtweaksがいろんな人達の手でなされてきたことに触れているところ。

We can't claim credit for all these tweaks--there are many wiki hackers out there, and many of these changes are "natural steps" forward.

これは「wikiハッカー」の功績について書かれており、ここでのハッカーは、明らかに尊称である。二番目は飛ばして三番目だが、ここはWikiの編集機能によって悪意のあるコードを埋め込んだりできちゃうんだよね、という話(クロスサイトスクリプティング関係ですね)。

A hacker could also trick a server program into executing in an inappropriate security context with inappropriate privileges.

「ハッカーならば、不適切なセキュリティ環境において、不適切な特権モードで実行するようサーバプログラムを騙すこともできるのです」というわけで、これは純粋に技術的なレベルの話である。ハッカーレベルの人なら〜までできちゃう、と。

もちろん僕もはじめからネットワーク侵入者、破壊工作者(などなど)を指す場合は「クラッカー」と表記する。その方が何より正確だからだ。しかし、ハッカーならばそこまでできる、という事実を忘れてもいけないわけなのですね。あとハッカーという言葉がどこまで尊称として適用されるのかという認識も(それを拡大しようとするのは自由だ)。


hack

さ〜て、ハック、である。基本的に以下の言いまわしで有名だろう。

…もちろん嘘である。この単語に関しては、山形浩生の解説が大前提になるだろう。

:Hackについて: http://cruel.org/freeware/hack.html

これを初めて読んだときも感心はしたが、その後オープンソース関係の文章を訳したり、そこらへんのコミュニティに片足をつっこんだりするうちに、何度もこの文章に立ち戻ることになった。今よりも「ハッカーはクラッカーじゃないぞ」という主張が『政治的正義』とみなされたときに、このような文章をすぱっと書いた山形さんという人は本当にすごい人だと思う。謝罪文のフォントを小賢しくいじろうがその評価は変わらない。

で、今訳しているWikiWayの中にも「hack」という単語は頻出する。部や章のタイトルにも出てくる。しかもそこでの意味はデフォルトで、「正しいことを雑に」という意味だ。あまし良い意味ではない。例えば最初に以下のように宣言される。

There are many ways to code solutions; ours are not the only or necessarily the "best" ones, and we willingly concede that these are "hacks".

「やり方はいっぱいあってね、俺達のコードが唯一のものでもなければ最高ってわけでもない。俺達としちゃあ自分達のコードが『ハック』であることは進んで認めるよん」ということで、ここで「ハック」という言葉に何か変な思い入れがあると変な感じになる。「雑な仕事」という標準的な英語としての意味を知ってないといけない。

当然基本的には、本の中で示す例コードを取り上げて「ハック」と言ってるわけで、それ自体には特にネガティブな感じはないが、面白いのは、自分達のコードが奇妙な印象を与えることに抗弁するところがあり、以下のようにしめているのだ。

Nonetheless, this gets the job done. (Hey, we did say these were hacks.)

「まーそうだとしてもですな、これはこれでちゃんと仕事をこなすわけですよ(ゴルァ、俺らはこれらがハックだってちゃんと言ったじゃんかよ)」というわけで、「ハック」であることが言い訳になっているわけだ(もちろん、逆ギレのように訳しているのは恣意的ですよ)。