この「マニュアルどおりに」パターンは、 調理者が常に同じ味をキープするためのものです。 調理者が陥りがちな「おいしいものを作ればいいのだろう」という 考えを修正するためにあります。
「自分勝手はご法度」
「数字を守って味を守る」
「いつも同じ良い材料」を並べているだけでは、 おいしいハンバーグはできません。 調理者は調理を行わなくてはなりません。
調理者には技術が必要ですが、そこに落とし穴もあります。 調理者の太郎くんは自分の技術を誇っています。 自分が調理する際には自分でちょっとした工夫をして 「少しでもおいしくしよう」と思っています。 あるときなどは「あなたが焼くとおいしいね」と言われたこともあります。 でも、そのような味のばらつきが出るのはモスドナルドとしては 好ましくありません。
調理者A ○ −□− → ハンバーガー(Aの味) || 調理者B ○ −□− → ハンバーガー(Bの味) ||
+----------------+ 調理者A | モスドナルド | ○ | 調理マニュアル | → −□− → ハンバーガー(モスドナルドの味) | | || +----------------+ | | 調理者B | ○ +-----------→ −□− → ハンバーガー(モスドナルドの味) ||
「モスドナルドの味」を作り出す方法が書かれています。
「モスドナルドの味」を常にキープしたハンバーガーを調理します。
「モスドナルドの味」をお客さんに味わってもらう製品です。
モスドナルド調理マニュアルに書かれている調理方法は、 定量的であり、どのような調理者でも同じように実現できるものでなければなりません。
調理者は自分の判断で調理するのではなく、 モスドナルド調理マニュアルに従わなければなりません。
一定の味をキープする。 このパターンを使うことによって、調理者の技術によらず、 「モスドナルドの味」を常にキープしたハンバーガーが提供できます。
優れた調理者は生かせない。 ただし、より優れた味を提供できる調理者がいたとしても、 その能力は生かされなくなってしまいます。
マニュアルは交換不可能。 パターンの中で、調理者は独立に変更することができますが (交換可能)調理マニュアルは変更することができません。
マニュアル遵守のチェック機構が必要です。 このパターンを実装する場合には、 調理者が正しくマニュアルを守っているかをチェックする仕組みが必要になります。 このパターンはフランチャイズのファーストフードに広く適用できます。
(省略)
おそらく、多くのファーストフード店ではこのパターンが使われていると 想像されます。
(省略)
このパターンは、 デザインパターン・メーリングリスト で曾根さんが書かれた パターン・ランゲージに触発されて書いたものです。
このページに登場する固有名詞は架空のものです。
最終更新 2001年6月16日