はてなの利用を一時停止

結城浩

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2004-11-02 23:08:05 - はてな停止中

「はてな」から「住所登録がなされない場合、2005年1月1日以降は「はてな」を利用できなくなります」 という主旨の連絡が来ました。 結城は「はてなダイアリー」と「はてなアンテナ」を利用していましたが、 この機会に「もしも「はてな」が利用できなくなったらどんな感じがするものなのか」を確かめようと思い、 結城が使っている「はてなダイアリー」と「はてなアンテナ」をプライベートモードにしてみました (私自身も「はてな」をほとんど使わず、代替サービスを探してみようかと思います)。

念のために書いておきますと、 結城は「はてな」を批判したり「はてな」に抗議したりするつもりはまったくありません。 無料で提供しているサービスだし、「はてな」がどのようなポリシーを提示しようとも、 自由だと思うからです。

もちろんユーザ側も、「はてな」を利用する/しないを選択する自由はあるわけです。 ユーザは、実名・正しい生年月日・性別・住所を「はてな」に示すリスクと、 「はてな」が提供しているサービスとをはかりにかけて判断することになるのでしょう。 うーん、でも実際のところ、そんなことを考えずに住所を入れるひとも多いんでしょうか。 あるいは「はてな」からのお知らせメールを読んでない、というのが大半のユーザかもしれませんね。

ダイアリーはとりあえずいいとして、よいアンテナはどこにあるでしょう。 bloglines.comかなあ。 それともi-know.jpかな? とりあえず、 kdmsnrさんにならって、アンテナのリストは「はてな」から引き上げた。

2004-11-04 14:35:51 - 自分が「はてな」の利用を停止する理由を考える

はてなアンテナとはてなダイアリーの利用を停止してみた。 アンテナはi-know.jpに移動できたので「はてなアンテナ」に戻る必要はなくなった。 結果的にアンテナ編集のユーザインタフェースが向上した。

はてなダイアリーは頻繁に更新していなかった。 でも、hyuki.comの日記とは別のトーンで書けて、 他のはてなダイアリーユーザからの反応をすぐに得やすいというメリットはあった。 このままid:hyukiがなくなるのは残念だけれど、しかたがないと思っている。

先日は、特に「はてな」を批判するつもりはない、と書いたけれど、 このようにして「はてな」から自分の日記やアンテナを引き上げようとしているということは、 間接的な批判になっているかもしれないな、と思う。

私自身も、自分の気持ちがよくわかっていないので、 現在感じていることを少し書いておく。

「住所を登録してほしい」というはてなからのメールを見たとき、 実は私は内容を詳しく読まなかった。 そのため、住所を登録しないと2005年から「使えなくなる」ことを知らなかった。 そのあと、ネットを巡回して情報を得てからメールを読み返し、 ハガキで住所確認を行うことや、2005年から使えなくなることを知った。

高木さんの日記がプライベートモードになったのを見て、一瞬ショックを受けた。 なるほど、高木さんの日記のセキュリティやプライバシーに関する話題は、 もう読めないかもしれないのだな、と思った。 2005年になって結城のはてな日記が突然なくなったら、 もしかしたら大きなトラブルを生むかもしれないと思い、 いったんプライベートモードにしてみるのがよいと考えた。

私は「はてな」の有料オプションは使っていない。つまりはてなに対して直接的な料金は支払っていない。 関心空間やジオシティーズやそのほかのネット上の無料サービスと同じような感覚ではてなを使っていた。 いや、もう少し好意的な扱いをしていた。 直接的にお金は払っていないけれど、ことあるごとに「はてな」を紹介し、 「はてな」上に多少のコンテンツを置き、また「はてなダイアリーライター」を作って公開することで、 「はてな」にはそれなりの貢献をしている、と勝手に思っていた。 それは「はてな」が面白いサービス、よいサービスを提供していると思ったからだ。

ではどうして私は今回「引き上げよう」と思ったのか。 それは単純で「自分の住所を登録したい/してもよい」と思わなかったからだ。 たとえば、 アマゾンのように自分の家に本を配達してもらわなければならないサービスなら、 住所を登録するのは当然と思う。 でも、自分の住所を登録してまで、はてなアンテナやはてなダイアリーを使いたいとは思わなかった。 アンテナならたくさん存在するし、たとえなくても、自分で巡回すればよい。 日記はすでに自分のサイトにある。

おそらく私は自分からはてなのidを削除することはせず、 プライベートモードにしたまま放置するだろう。 ということは使えなくなるまで、 虚偽の住所を入力したまま使ってればよいという考え方もある。 でも、それはちょっといやだと思った。 虚偽の住所で使い続けることがいやなのではなく、 いつ「ふっとなくなる」かわからないようなURLに、自分のコストを使うことがいやなのだ。

うん、そのあたりが私の感覚の正直なところかな。 自分が何がしかの時間をかけて小さなノアスフィアを開墾し、Web上に自分の空間を拓く。 私は、便利な機能、面白いサービスを試してみたい気持ちは旺盛だから、 あちこちに首を突っ込む。で、そこに自分のリソースを(わずかなりとも)注ぐ。 たとえばgenpaku.org, aozora.gr.jp, kanshin.com, ... 私の主戦場は自分の書く書籍にあると思っているから、 Web上の活動は趣味といえば趣味だ。 でも、自分のリソースを注ぐ、とても大切な場所だ。

今回のはてなのように、自分の場所を作っても、 ふっとなくなるかもしれないんだったら、 何かを構築する気持ちは起きないということなのだろう。 無料だから文句をいう筋合いはまったくない。 ただ、自分のリソースをそこに注ぎたくなくなるだけだ。

もちろん、他の無料サービスでも「ふっとなくなる」可能性はある。 でもそれが、自分の住所を登録していないことで「ふっとなくなる」 サービスというのは少ないのではないだろうか。

「はてな」以外でも、同じようなポリシーを打ち出したら、 わたしはきっと自分のコンテンツを引き上げるだろう。 そのときには、こんな言い訳のような文章は書かないかもしれない。 そういう意味では、わたしはきっと「はてな」が気に入っているのだろう。

2004-11-04 21:52:48 - はてな、住所登録期限を延長

プライバシーポリシーの再改定・発効日延期に伴って、住所登録期限を1ヶ月延長、とのこと。 住所を登録しない場合、2005年2月1日以降ははてなを利用できなくなるようです。

はてなからのメールを読んで気になった点が1つ。

質問の登録や日記の編集、アンテナの編集などの操作が、住所登録後に可能 となりますが、これまでにご登録頂いた情報が突然削除されたり、閲覧不能に なることはありません。

ということは、このような事態が考えられます。 知らないうちに著作権侵害をしていたユーザがいたとする。 著作権侵害をたとえば友達に指摘されて「しまった。消さなきゃ」と自分で思ったとします。 でも「はてな」が「このユーザは住所登録していないので日記編集不可」という措置をとっていたら、 このユーザ(日記作者)は著作権侵害をし続けてしまうことになりそうですね。

「はてな」は情報を削除したり閲覧不能にすることはない。 日記作者は、住所を登録しない限り日記を編集できない。 とすると、著作権侵害をしている日記は、ずっとそのまま存在し続けてしまうことになる。

あ、こういう話は「はてな」に問い合わせたほうがよいのかもしれない。 メールしておこう。

追記

いしなおさんが私と同じところに反応しているのを発見。

もっと追記

話は少しそれますが…思うところをつらつらと書きます。

「はてな」は「住所を登録する」という方針には変更はないようで、 ただ、みんなが住所を登録してくれるように、 よりきちんとしたプライバシーポリシーを作ります。 というスタンスのようです。

でも、私は「はてな」のプライバシーポリシーがどうなのかにはそれほど関心はありません。 私は、個人情報漏洩は、プライバシーポリシーとは直接関係がないと思っています。 もう少し正確にいうと、プライバシーポリシーがちゃんとしてないというのは問題でしょうけれど、 プライバシーポリシーがちゃんとしていれば個人情報漏洩が起こらない、というのは誤りだと思っているのですね。 それは、プログラムの設計がちゃんとしていれば、 セキュリティホールは存在しない、というのに近い誤りではないかと思っているのです (というか、この文章を書いていて、私は自分がそのように考えていることに気がついた、というのがより正確ですが)。

ですから、自分の個人情報漏洩を防ぐ方法は、 どうしても必要なとき以外は自分の個人情報を出さない、 ということくらいしかないのではないでしょうか。 完全に防ぐという意味ではなく、可能性を減らすという意味でしかありませんが。

なんだか当たり前のことを書いているような気がしてきたので、おしまい。 眠いせいか、文章がひどいですが、ご勘弁。

2004-11-11 01:16:01 - はてなへの住所登録に関するパブリックコメント

「はてなでは、寄せられた多数のご意見を受け止め、住所登録そのものについて、皆様から更に広くご意見をお伺いし、住所登録の撤回までも含めた幅広い検討を行いたいと思います。」とのこと。「はてな」さんの柔軟さは、なかなかすごいと思います。

ところで、 「1. 全ユーザーの住所登録を義務とする」 「2. 住所登録を選択制にする」 「3. 住所登録は行わない」 という3択が与えられた上で、 「1. 全ユーザーの住所登録を義務とする」 を選ぶ人っているのだろうか…。

追記

はてなスタッフによって「はてな住所登録パブリックコメント」のまとめがなされているようです。 これによると「1. 全ユーザーの住所登録を義務とする」を選ぶ人もいるんですね。へえ…。

(2004年11月2日の日記から)

豊かな人生のための四つの法則