メールマガジンの発行

結城浩

2000年1月30日

ノートパソコンの電池が切れたので、一休み。 イタリヤ料理店でジンジャエールとピザのランチセットを注文。 ピザを食べながら『Effective Perl』を読む。 とても面白い。目から鱗である。 この本は初心者向けではないけれど、とても刺激的な本だ。 メールマガジン『Perlクイズ』の読者が勧めるだけのことはありますね。 テーブルの上のナフキンの上にボールペンでいろいろとプログラムを書いてmap, sort, grepの練習をする。

メールマガジン[PQ]のNo.0044を発行する。 発行後1時間半して、解答の第一便到着。早いなあ。 何度も何度も書いていて恐縮ですが、 メールマガジン『Perlクイズ』は楽しい。 けっこう盛り上がっているし、参加者もまた増え始めている。 現在は、1407部。27日に1371部だったから、3日間で36人も増えている。

結城は自分でPerlプログラミングしているときの経験や、 本を読んで学んだことや、連載や書籍で使いたい題材を、 クイズという形にしてメールマガジン『Perlクイズ』に提示する。 すると、初心者から経験者までさまざまな読者がそれに挑戦してくれる。 毎回数人は結城よりも美しい解答を書く。 毎回数人は結城が思いつかなかったアプローチを試みる。 ある人は詳細な文章で説明を試み、別の人はたった一行だけバシッと正解を書く。 そして、ほとんどの解答者が「他の人の解答が読めて楽しい」と感想を書いてくれる。

その中で結城の果たしている役割って何だろう。 私はあまり「教えて」はいない。解答も出すだけで、そんなに詳細な説明はしていない。 読者からの解答を全部読んで、全部動作テストして、分類整理して、 次回のクイズ発行時に「前回の解答」として提示するくらい。 まあ、コーディネータかエディタというところだろう。 私はけっこうこういう立場は気にいっている。 みんなが知恵をしぼって素敵なマガジンにしてくださっているわけだ。

これまでに何回か私は間違いをしているが、みなさん寛容に受け止めてくれるし、 いつも励ましてくださる。ありがたいことだ。 メールマガジン発行者にすぎない私に、 Perlの解答に添えて「今度結婚しました」というメッセージが書かれていたときもあった (女性解答者。もちろんその次の「読者からのお便り」でお祝いしました)。 トリッキーな問題で「やられたー」とくやしそうなメールが来るときもあるし、 その回で最も美しいコードを書いた解答者から「やったぜ」とうれしそうなメールが来るときもある。 私が風邪で寝込んだときはお見舞いのメールがたくさんやってきた。 とにかく楽しいメールマガジンなのだ。 このメールマガジンをはじめた経緯を忘れちゃったけれど、 はじめてよかったなあ。

朝、朝食を食べながら連載の原稿書き。 書いているとメールマガジン『Perlクイズ』の題材が出てくるので楽しい。 メールマガジン『Perlクイズ』は熱心な読者が毎回投稿し、 また一言コメントで場を盛り上げてくれるので、発行していてとても楽しい。 しかも、私自身が教えられることが本当に多い。 Perlというプログラミング言語自体、クイズに向いていますね。 いろんな書き方があるし。 メールマガジン『Perlクイズ』は現在1371部。 めざせ2000部(^_^)。

メールマガジンを発行するのはそれなりに技術も必要だし、けっこう時間もかかる。 それを無料で発行してどんなメリットがあるか。 一番大きなメリットは「楽しい」だね。実は。 それから「自分の勉強になる」「他の人の意見が聞ける」「自分の本の宣伝ができる」などかな。 まぐまぐメルマガイド2000で紹介されたメールマガジン『Java言語Q&A』も楽しいけれど、 メールマガジン『Perlクイズ』の形式の方が私にはしっくり来ているかな。 1000人くらいの人を前にしてショートレクチャをしている感じですね。 「大喜利」かもしれないが (^_^; 解答を送ってくださる方にはいつも感謝している。 解答を送るのはやはりプログラマが多いのだが、女性が多いのに驚く。

メールマガジン『Perlクイズ』をはじめたのは昨年の7月だ。 現在までに約70通発行している。すごいなあ。 これもいつか本にならないかな。>編集者様

後日談:メールマガジン『Perlクイズ』が本になりました。