メタな作業

結城浩

文章を書くときは、目次全体に目を配り、気になった部分を修正し、 ようし、ここ、というところを書く。 ゆっくり書く。一つ一つの言葉に心をなじませるように。 批判精神はいったんとめておいて、ただ思ったとおりに書く。 しばらくゆっくり進むと、なぜか急にスピードが速くなるときが来る。 そしたら後は指にまかせて書き、 自分は書かれていく言葉を読むことに専念する。 流れに沿って書いていくと、 細いが有益な支流がときどき流れたがることがあるので、 それもメモだけしておく。 プログラムはその都度テストする。 実行結果はよく観察する。 1時間くらいするとふと気分が変わるので、 そのときは手を休めて、こちらの世界に帰って来る。お帰りなさい。 ああ、私は喫茶店にいたんだった。

ファイルを閉じる前に、 いま頭の中に残っている断片をメモしておく。 ファイルを閉じたら、RCSでチェックインする。 その後、自分の作業ログに経過時間をメモし、 この次、この作業に戻ったときはどのあたりを攻めたらよいと考えるかを書き添えておく。 作業ログの編集も作業の1つだが、 これは文書ファイルの編集よりも1レベルメタな作業である(そしてこの日記はもう1レベルメタな作業だ)。

プログラマはメタな作業が好きだ。

(2000年2月6日の日記から)

豊かな人生のための四つの法則