数列クイズ / 猫のミー・マー・ムー

結城浩

長男「ねえ、寝る前に何かお話して」

私「じゃあ、クイズをしよう」

長男「うん!」

私「いまから4つの数を順番に言うから、次の数を当てるんだよ」

長男「わかった」

私「0, 1, 2, 3, 次は?」

長男「4」

私「正解。じゃあ次ね。1, 3, 5, 7, 次は?」

長男「9。簡単じゃん」

私「ここまでは小手調べ。だんだん難しくなるよ。1, 10, 100, 1000, 次は?」

長男「10000」

私「正解。0, 2, 4, 6, 次は?」

長男「8。簡単だよ」

私「次は難しいよ。1, 3, 6, 10, 次は?」

長男「え? 1, 3, 6, 10, ???…わかった『三角形の数』だね!」

私「そうそう」

長男「じゃあ、12だ!」

私「がっくり。ちがーう、計算違い」

長男「ごめん。15だった」

私「正解。じゃあ次は、1, 4, 27, 次は?」

長男「三つしか言ってないよ」

私「うん、これ以上になると暗算が難しいから」

長男「1, 4, 27, ???…3増えて、23増えて、…わかんない」

私「じゃあヒント。4は2の2乗です。27は3の3乗です」

長男「わかった。16」

私「がっくし。どうして?」

長男「4の4乗でしょ」

私「16は4の2乗だよ」

長男「あ、そうか16×4は…」

私「16は4の2乗だから、4の4乗を計算するには16の2乗を計算すればいい。答えは256」

長男「ふうん」

私「27を「20と7」って考えるだけじゃなく「3の3乗」って考えるのも大事だよ。これであなたは27とちょっとお友達になったんだ」

長男「ふうん」

私「じゃあ、次はすごく難しいよ。2, 3, 5, 7, 次は?」

長男「…うーん…9かな?」

私「ちがう」

長男「うーん、わかんない。どうして2なんだろう」

私「答えは、素数でした」

長男「2, 3, 5, 7, あ、ほんとうだ。次は11だね」

私「そう。次も難しいよ。7, 4, 1, 8, 次は?」

長男「うーん…わかった5だ!」

私「(びっくりして)どうしてわかったの?」

長男「あのね、うーんとね。10が0なんだ。7から4で3減るでしょう。4から1で3減るでしょう。1から3減るんだけど、マイナスになっちゃうから0に戻したの。それで8。そこから3引いたら5」

私「ふむふむ。なるほど。すごいね。お父さんが考えたルールは『7の段の下一桁』なんだ。でも、あなたの考え方もすばらしい。7は3を食べて10になるから、一の位は3ずつ減っていくんだね。すごいすごい」

長男「(自慢げな顔)次の問題は?」

私「じゃあねえ、一番難しいの。1, 2, 4, 6, 次は?」

長男「うーん、うーん…8かなあ。ちがうなあ…降参」

私「答えは、素数から1を引いた数、でした。だから6の次は10。さあ、そろそろ眠ろうか」

長男「うん」

(10分後、長男がもぞもぞ起きてくる)

長男「お父さーん。頭がぐるぐるして、眠れない」

私「そうだね。ごめんごめん。じゃあ『猫のミー・マー・ムー』の話をしてあげよう…」

『猫のミー・マー・ムー』

むかしむかし、あるところに三匹の子猫がいました。

三匹の子猫の名前はミーとマーとムーでした。

ミーとマーはとてもすばしこくて、 カーテンにつめを引っ掛けて駆け上がることができます。 どどどど。

でもムーはあまりすばしこくありません。 カーテンにつめを引っ掛けて途中までのぼるのですが、 そこで力尽き、ストップしてしまいます。 爪に全体重がかかり、 カーテンを引き裂きながら下に落っこちてきます。 びりびり、どすん。

ミルクの時間になりました。 ミルクが入った三枚のお皿が並べられます。 ミーとマーは上手にミルクをなめます。ペロ・ペロ・ペロ。

遅れてやってきたムーはお皿のふちに手をのせます。 お皿はくるりとひっくり返り、ぜんぶこぼれてしまいました。 ムーはミルクでびしょぬれです。 ムーは自分の体をなめます。ペロ・ペロ・ペロ。

でもミー・マー・ムーの三匹はいつもなかよし。 ミーがあくびをすると、マーとムーも大あくび。 三匹はいっしょに丸くなって、ぐっすり眠ります。

おやすみなさい、よい夢を。

(2003年2月16日の日記から)

豊かな人生のための四つの法則