学んだことを公開し、喜びを分かち合う

結城浩

ちょっと、思うところをだらだらと書いてみますね。

インターネットという道具を、いま私たちは手に入れているわけです。 いま私の日記を読んでくださっている人も、 まあ日常的にインターネットを使い、Webページを見ているわけですね。 これはすごいこと、すごい可能性を秘めていることでもあります。

勉強というと、どうしても学校の試験だの、嫌な教師だの、 といったごちゃごちゃした思い出がまとわりつくものですけれど、 それは強制された勉強の話。いま、自分の好きなことを学ぶとしたら、 そういう嫌な部分はずいぶん少なくなると思います。

自分の好きなことを学ぶ。そして学んだことをWebページにして公開してみる。 ――って、まあ公開する必要はないんですけれど。 私のこれまでの日記でも繰り返し繰り返し書いているテーマなので 耳タコになっているかもしれませんが、 こういう現代に生きていて、インターネットをうまく利用しない手はないと思うんですよ。

別に新しい技術を追い求める必要はない。すべての技術を知らなければならないわけではない。 人は誰しも何らかの知的好奇心を持っています。 学んでみたいこともある。関わってみたい人もいる。 そうしたら、それを自分の自由になるちょっとした時間を使って少しずつ学んでみる。

なに、試験があるわけでもなし、〆切があるわけでもないんだから、 スピードが遅くても気にしない。内容や程度が低くてもかまわない。 ただ、自分が心から「こういうのはおもしろいなあ」と思える題材を勉強してみる。 勉強して「なるほど、これはこういうことなのか」とひざを打つようなことに出会ったら、 それを言葉にして(映像でもいいですけれど)表現してみる。 言葉にできたなら、それをWebページ(やメールなど)で他の人に伝えてみる。 そうすると、同じような興味・関心を持っている人とのかかわりが生まれはじめる。 そういう人間関係は、なんともいえない趣があるように思うのです。

そういう人間関係って、一昔前にはありえなかったわけですよね。 空間にしばられ、時間にしばられていて。 でもメールやWebをうまく使えば、空間や時間の束縛から(ある程度)解放されます。 電話はリアルタイムに人を束縛するけれど、メールは束縛しない。 人と会って講演するには時間もお金もかかるけれど、 Webならそのコストをずっと減らせるわけだ。 何だか、そういうのって、わくわくしてきませんか。

コツはね、人と比べないこと。それから結果を気にせずプロセスを楽しむこと。 そして、あまりごちゃごちゃ考える前に、ちょっと「やってみる」こと。 あんまり頭が先行すると、なーんにもはじめられない。 ほら、コンピュータを買うときもそうですよね。 「もうちょっと待ったら、いい機種が出る」なんていってたら、 いつまでたってもコンピュータなんか買えない。 まずは、ちょいと頑張って「はじめて」みると感触がつかめる。 それから次のステップを考えるようにするんです。

人と比べる必要なんかないんです。 学校の試験じゃないんですから。自分から試験を導入してもしょうがないですよね。 自分の好きなことを、自分に合ったペースで楽しみつつ勉強する。 そして、思い切って公開し、他の人と共有(シェア)する。 インターネットを使うと、そういう学び方を趣味にできるのではないかな、 と思ったりするのです。

(2002年2月4日の日記から)

豊かな人生のための四つの法則