文章を書く心がけ(番外編)

結城浩

質問

結城さんの「文章を書く心がけ」を読んで、 私も文章が書きたくなりました。 文章を書くときに結城さんが考えていることについて、 もう少し教えていただけませんか。

回答

私が文章を書くときに心がけたいと思っていることは、 その「文章を書く心がけ」に書いたとおりです。 でも、あなたのメールを読んでいるうちに、 違う観点から書いてみたくなりました。 つたない説明ですが、以下に書いてみます。

まず、読者に伝えたい言葉を探します。 そして、それをすっきりした形で示します。

折り紙を1枚、さっと取り出す。

そしてその言葉を読んだときに、 読者がきっと想像する方向に、一歩を踏み出します。 読者が安心して歩き出せるように。

折り鶴、って作ったことがありますよね。

少し進んだ後、その言葉の本来の意味に読者を連れて行きます。 そしてその後で、まだよくわからない領域へ向かい始めます。

でも、折り紙は折り鶴を折るだけのものではありません。 今日は何を折りましょうか。 紙飛行機を折ってみましょう。

時には、あれれと読者が感じる一言を言います。

もしも、巨大な紙で折ったなら、 人が乗れるような紙飛行機ができるでしょうかねえ。

ひとしきり学び、言葉による展開がすんだ後には、 読者が自分の手や頭を動かすことができるような方向付けも忘れないようにしましょう。

じゃあ、これから野原へ出かけて、実際に紙飛行機を飛ばしてみましょう。

大事なのは、自分が用意した枠の中に読者を閉じ込めるのではなく、 必ず「ここから先は、あなたの足で歩いてね」と外へ送り出すことです。 そしてそのときに「大丈夫」と励ましてやることです。

あなたの好きなように折ってごらんなさい。 うまくいけば、きっと遠くまで飛びますよ。 うまくいかなくても、いろいろ工夫してみましょうね。 それはもう、あなたが作った紙飛行機。 あなたの作品なのです。

…私が文章を書くときには、こんなことを考えています。 あなたの参考になれば幸いです。 メールありがとうございました。

(2000年10月24日の日記から)

豊かな人生のための四つの法則