読み合わせ

結城浩

午後、ソフトバンクパブリッシングにて『Perl言語プログラミングレッスン』入門編の初校読み合わせ。 いまちょうど読み合わせが終了し、空いた時間でこの日記を書いている。 読み合わせは順調に終了。感謝である。 いつもは2人で読み合わせをするが、今回は私を含めて3人で読み合わせ。 本一冊を一ページずつつき合わせていくのは大変な作業だが、心地よい達成感がある。 でも、さすがに疲れる…。

『Perl言語プログラミングレッスン』入門編の出版は年明けになる見込みです。

夜中に一人で校正をしていると、 本を作るって、地味な仕事だなあとつくづく思う。 細かい修正がたくさん入る。 一つ一つを取り上げると「そんなの、誰が気づくの?」というような小さな修正なのだが、 その積み重ねが本全体の質を左右するのだと思う。 よく言われるように「神は細部に宿る」のだ。 これは本当にそうだと思う。 ぱぱっとひらめいた考えをすらすらっと文章にすれば、 すばらしい本のできあがり、とは(残念ながら)いかない。 少なくとも私にはできない。 じっと考えて、毎日少しずつ書きためていって、やっとまとまる。 ちまちまと修正に修正を重ねてやっと完成する。 本は、とにかく手間と時間のかかる作品である。

もともと、作品ってそういうものかもしれないが。

私自身は目立ちたがりだし、 自己顕示欲もすごく強い(でなきゃWeb日記なんて書いてないですよね)。 本を書くことに関してもそのはずなのだが、 …ええと… 何というか、自己顕示欲だけでは本は書けないのだ。 やはり、謙虚に謙遜に、地味な作業をいとわない覚悟がないといい本は書けない (と私は思っている)。 その修正をしてもしなくても、世界中の誰も気がつかないかもしれない。 でも、手間を惜しまずに確認し、修正する。 その繰り返しだ。 俺が俺が、と言うだけではいい本はできない。 愚直に確認し、修正する。 謙虚に編集者の意見を聞く。 でもきちんと自分で判断する。 自分の便宜ではなく、読者の便宜を考える。 自分の知識を誇るのではなく、読者の役に立つ知識を提示する。 …私は、そういうのが、本を書くということだと思っている。 もっとよい本を書きたいと思ったら、 もっと謙遜に、自分の身を低めなければならないのだろう。 自分に死に、砕かれた心をもたなければならないのだろう。

それはさておき、若輩者である結城を きちんと著者として厚遇してくださる編集者のかたがたに対しては、本当に感謝である。 いつも、生意気な私の意見を受け入れてくださってありがとうございます。

(2000年11月21日の日記から)

豊かな人生のための四つの法則