[ ホーム | 翻訳の部屋 ]
[
更新情報 |
日記 |
掲示板 |
著書 |
お祈り |
心の健康 |
フィードバック |
メール |
CatLink
]
[ 豊かな人生のための四つの法則 ]
翻訳の心がけ
結城 浩
目次
はじめに
翻訳をしていて、気がついたことをメモしておきます。
私は翻訳の専門家ではないけれど、自分で辞書を引き引き翻訳をしていると、
それなりに考えることがあるものです。
ここでいう翻訳は英文和訳を意味しています。
翻訳の心がけ
- 大事なことは「原文の意味をよく理解し、それを日本語として表現する」ということだ。
- 想像力は大事。
勝手に想像するという意味ではなく、言葉の意味をちゃんと頭を使ってとらえるという意味。
字面を字面に置き換えてはいけない。途中、ちゃんと「意味」を経由しなければいけない。
自分が理解できない文章を翻訳することはできない。
- 品詞を変える。
原文で名詞になっているものを動詞として表現したりする。
- 省略する。
例えば、文句を言っているセリフが実際に「…」で書いてあったときは、
「…と文句を言った」ではなく「…と言った」とだけしておく。
「…」の部分を読めば文句であることがわかるから。
- こまめに辞書を引く。
簡単な単語でも、別の意味で使われていたりするから。
- 音に注意。
声を出して読んでみること。
- 原文の意味をよく伝える、
日本語として適切な文章を作ること。
原文の構成や言葉遣いに引きずられて、日本語としておかしい文章にならないように。
- 段階を踏む。
最初は直訳で全部訳し、その後、日本語をきちんとこなれたものにし、
そして日本語を元に英語と照らし合わせるという段階を踏むとよいかもしれない。
- 根気。
うまずたゆまず、機械的に手を動かすことが重要な場合もある。
いつも「きらりとセンスが光る訳文」を書くわけではない。
あたりまえの文章をあたりまえに書くことがほとんどなのだ。
- 語順に注意。
関係代名詞などがたくさん出てくるとき、文の後ろから訳して行くと、
原文を読んだときの概念の提示順と、
訳文を読んだときの概念の提示順が変わってしまう。
文章によっては流れが変になる。
できれば、前から順に訳す。
- 一つの文を複数の文に分けたり、
複数の文を一つにしたりしてもよい。
もしもそれが意味をより正確に伝えるならば。
やりすぎると原文から離れてしまうが。
- 正確に訳すように努力すべきだが、
間違いを恐れていてはいけない。
どうせ、100%同じ文にはならないのだ。
- 訳したあと、日本語の文章として読んで「角を取る」こと。
- セミコロンとかコロンとか、日本語にない記号は適宜直したほうがいいかもしれない。
ダッシュはどうだろう。
- 彼、彼女という代名詞は注意して使う。
たいていの場合は、省略してもよかったりする。
誤解を招く場合には固有名詞で明示的に書いてしまってもよい。
- 隠された仮定法をきちんと見抜くこと。wouldに注意。
- 文章のトーンに注意。
皮肉の文章を真面目に訳してはいけない。
正しく「日本語の皮肉」になるようにする。
- 恐れない。
こんなことを書いたら誤訳といわれるのではないか、と恐れない。
大胆に日本語として正しい言葉を使おう。
原文に引きずられて、不自然な日本語にしないように。
- 誇らない。
自分の知識を誇らない。
原文のもつ意味を、読者に可能な限り適切に伝えようとすること。
その意味で、翻訳も、通常の文章を書くことと違いはない。
更新履歴
- 2000年7月6日、加筆。
- 2000年1月16日、加筆。
- 1999年12月24日、公開。
リンク集
リンクはご自由に。
フィードバックはお気軽に。
Copyright (C) 1996-2000 by Hiroshi Yuki.
All rights reserved.
結城浩 <hyuki@hyuki.com>
http://www.hyuki.com/
http://www.hyuki.com/trans/tratips.html
|