掲示板運営は管理者がルールブック

結城浩

2000年1月13日

朝、書籍の原稿書き。 祈って仕事をすると、何と平安なことだろう。

知人の或る掲示板が閉じられた。 急激な人口増加ともに、 掲示板のクラッキング(?)にあったのが原因のようだ。

以下は一般論。 拙著『Perlで作るCGI入門』基礎編でも触れたけれど、掲示板の運営は難しい。 どういう話題を導き、どういう発言を削除し、などなど。 世の中には本当にいろんなことを考える人がいるし、 言葉でそれをどう表現するかにも技術の差がずいぶんある (つまり、よかれと思った発言でも、表現のまずさのために誤解される場合が多々ある)。 掲示板の管理者をやったことがある人は、 単に発言者である場合とずいぶん気持ちが変化するということを知っていると思う。 掲示板運営は難しい。

でも、私は、個人運営の掲示板の場合は「管理者がルールブック」なのだと思っている。 管理者が削除したいと思った発言を削除し、残したいと思った発言を残してよいのだ。 掲示板そのものだって、管理者が好きなようにはじめて、やめたいときにやめればよいのだと思う。 管理者の価値観や判断が「本当に正しい」かどうかというのはあまり考えなくてもよい(考えてもいいけれど)。 一人の人間が判断することで、その管理者ならではのトーンを持った掲示板ができてくるのだと思う。