いま書いている本が最高の本

結城浩

2001年7月28日

現在書こうとしているのは『Java言語で学ぶデザインパターン入門』の続編である。 続編を書こうと思ったのは、デザインパターン・メーリングリストを立ち上げた頃だが、 その具体的内容はぜんぜん定まっていなかった。 目次を書いては消し、書いては消す毎日。 先日、編集長にメールして、少しアドバイス(とはげまし)をいただいて、 再考した結果、けっこうよい方向でまとまりそうな予感。

(ある程度まとまってきたら、また「レビューア募集」をかけよう…)

今日、喫茶店で「はじめに」を書いているうちに、 いつもの「うん、これ、とてもいい本になる」という確信を得たように思う。 私はいつも「いま書いている本が最高の本」だと思って書くのだが、 今回もそうなりそうな感じだ。 うん、そうそう。素晴らしい本になるよ。 はじめは当たり前の話のように感じてするする読んでいくんだけれど、 そのうちに「ん?」と感じ始め、だんだんわくわくしていく…そんな本になるよ、きっと。 それは、私が素晴らしいからじゃなくて、 題材が素晴らしいから、そして神さまが素晴らしいから、なんだけれど。 奥さんからはまた「あなた、いつもそう言うわねえ」と苦笑されるかな。

などと考えつつ「はじめに」を書き進める。 各章の紹介を書いているうちに自分の周りの机や椅子は消え、 自分がどこにいるのかも忘れ、ただ頭に思いつく言葉がエディタの中に流れ込んでいく。 私はそれを(熱心な)傍観者として見ている状態になる。 思いつくことは全部書いてしまえばいいのだ。 思いつくことを全部そのまま、そっくりそのままエディタに突っ込んでしまえばいいのだ。 編集はあとでいくらでもできる。 いま、勢いの中から出てきている何かをそのまま、 出してしまおう。

それが、私の「文章を書く心がけ」。