時計クイズ

結城浩

2005年2月18日

問題編

クイズ

「一日」のうち、時計の長針は短針を何回「追い越す」でしょうか?

ただし、「一日」は「夜中の0時からの24時間」とし、 「AがBを追い越す」というのは「AがBの後の位置にいる状態から、前の位置にいる状態に移ること」としましょう。 ですから、たとえば「長針と短針が重なっている」という状態からスタートしている夜中の0時の直後は、 「長針は短針を追い越してはいない」ことにします。

解答したい方はfeedbackからどうぞ。 単に回数だけではなく、どうしてその回数なのかがわかりやすいようにお願いします。 面白い解答がありましたら、 日記などで公開させていただくかもしれませんので、 そのおつもりでどうぞ。

解答編

正解を出した方から何通か抜粋して以下に公開します。 多数のご解答ありがとうございます!

結城の解答

境界に注意しつつ、実際に数えます。

  • 00:00-01:00 - 長針は短針を追い越しません
  • 01:00-02:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 1回目の追い越し
  • 02:00-03:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 2回目の追い越し
  • 03:00-04:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 3回目の追い越し
  • ...
  • 10:00-11:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 10回目の追い越し
  • 11:00-13:00 - (ここだけ2時間の範囲)長針は短針を1回だけ追い越します → 11回目の追い越し
  • 13:00-14:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 12回目の追い越し
  • 14:00-15:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 13回目の追い越し
  • 15:00-16:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 14回目の追い越し
  • ...
  • 22:00-23:00 - 長針は短針を1回だけ追い越します → 21回目の追い越し
  • 23:00-24:00 - 長針は短針を追い越しません。

答え:21回追い越す

matarilloさんの解答

短針に視点を固定します。 (短針は常に垂直上向きだとし、文字盤および長針が動きます。)

午前0時の段階から1時間たった午前1時。 短針は常に垂直上向きです。 文字盤はゆっくり左に回転し、垂直上方向には1時の位置が来ています。 長針は12時の位置を指し示しています。

これは短針から見たら、長針は1時間で11/12回転したと見えるということ。 なので、12/11時間かかって長針は短針に追いつく(垂直上方向に到達する)のでした。

1日は24時間ですから割り算すれば, 長針は1日に22回、短針に追いつく計算になります。 ところが今回の問題は、1日の間に何回「追い抜く」か、ですから、午前0時(午後12時)の追いつきは、追い抜きにカウントしてはだめです。 よって答えは、21回。

rolasipさんの解答

いつも楽しく拝見させていただいてます。 結城さんのデザパタ本2冊持ってます。 ただいまマルチスレッド編を愛読中です。 プログラマの数学もとっても楽しみです。

時計の問題、楽しいですね。 一日に長い針が回転するのは24回、短い針は2回。 24−2に最後の一回を引いて21回だと思います。 「重なる」のは22回ですが、最後に重なる0:00では長針が短針を追い越せないので一回マイナスです。

名無しさんの解答

長針は1日で時計を24周します。 それに対して短針は1日で時計を2週しかできません。

ここで「1周」とは、「よーい、ドン」で1日が始まってから、 正確に時計の「12」の数字をさす回数とします。

と、言うことは、1日の間に長針は短針に24-2=22回、追いつけることになります。 (「追い越す」ではないところがポイント)

さて、単に「追いつく」だけでなく、「追い越す」ためには、 長針が短針に「追いついた」あと、「追い越す」ことが出来る時間が必要です。

さて、長針にとって、1日の最後に短針に「追いつく」時間は、何時でしょう? 言うまでもなく、「24時」ちょうどです。

24時をちょっとでも過ぎたらそれは「明日」になってしまうので、 「今日」中には「追い越し」が出来ないことになります。

そこで、クイズの答えは

「長針が短針に追いつけた回数(22)」-「追いつけたけど追い越せなかった回数(1)」= 21回

ということになります。

そのほかの解答