まどが、きいきいさんとあうおはなし

結城浩

むかしむかし、あるところに、まどというなまえの
しろい うさぎがおりました。

まどが としょかんにむかってあるいていると、
むこうから せがたかくて きいろいどうぶつがあるいてきました。
としょかんのまえで、まどと そのどうぶつはむかいあいました。

「こんにちは」と、まどがいいました。
「こんにちは」と、そのどうぶつは ながいくびをまどのそばによせていいました。

「あなたは、だれですか」と、まどがききました。
「ぼくは、きりんのきいきいです」と、そのどうぶつはいいました。
「きいきいさん、はじめまして。ぼくは、まど といいます」
「まど、はじめまして。ぼくは、きりんのきいきいです」

ふたりは、あいさつをしたあと、
いっしょに としょかんにはいろうとしました。
けれど、きいきいさんは、
としょかんのてんじょうに、あたまを、どおおんと ぶつけてしまいました。
「いたたたた」と、きいきいさんは おおごえをあげて、
もっていた たくさんのほんを ばたばた、と おとしました。

まどが、あわててほんをひろってあげると、
きいきいさんは、あまりのいたさに、めが×(ばってん)になってたおれていました。
「きいきいさん、だいじょうぶ?」と、まどがきくと、
きいきいさんはやっとおきあがりました。
「う、うん。だいじょうぶ。ぼくは、くびがながいから、よくあたまをぶつけるんだ」

まどと きいきいさんの ふたりは、
としょかんで、いっしょにほんをよみました。
まどは、どうぶつがでてくるほんがすきでした。
きいきいさんは、でんしゃやのりもののほんがすきでした。

まどが、らいおんのでてくるおはなしをよんでいると、
きいきいさんは、でんしゃのたなから、
ほんを7さつとって、まどのところにこようとしました。
ところが、とちゅう、よそみをしながらあるいていたので、
かべのはしらどけいに、あたまを、どおおんと ぶつけてしまいました。
「いたたたた」と、きいきいさんは おおごえをあげて、
もっていた でんしゃのほんを ばたばた、と おとしました。

まどが、あわててほんをひろってあげると、
きいきいさんは、あまりのいたさに、めが×(ばってん)になってたおれていました。
「きいきいさん、だいじょうぶ?」と、まどがきくと、
きいきいさんはやっとおきあがりました。
「う、うん。だいじょうぶ。いま、なににぶつかったのかな」
「はしらどけいみたいだよ。でもどうやったらはしらどけいにあたまをぶつけられるんだろう」

まどから、でんしゃのほんをうけとると、
きいきいさんは ぱんぱん、と ほこりをはらいました。
「このほんは かりてかえって いえでよもうかな」と、きいきいさんはいいました。
まども、らいおんのおはなしのつづきは いえでよもうかな、とおもいました。

まどと、きいきいさんは、ほんをかりるてつづきをして、
ならんでそとにでました。

「じゃあ、またね、きいきいさん」と、まどは いって てをふりました。
「じゃあ、またね、まど」と、きいきいさんは いって てをふりました。
きいきいさんは ふりかえり ふりかえり、あるいていたので、
まえにある、きのえだに きがつきませんでした。
よこにのびていたえだに、あたまを、どおおんと ぶつけてしまいました。
「いたたたた」と、きいきいさんは おおごえをあげて、
かりてきた でんしゃのほんを ばたばた、と おとしました。

まどは、あわててほんをひろってあげました。
きいきいさんは、あまりのいたさに、めが×(ばってん)になってたおれていました。
「きいきいさん、だいじょうぶ?」と、まどがきくと、
きいきいさんはやっとおきあがりました。
「う、うん。だいじょうぶ。それじゃあ、またね」

まどは、おうちにかえってから、きいきいさんのことをかんがえました。
「きいきいさんは、ちゃんとおうちまで もどれたかなあ」

(おしまい)

最終更新: 1999年1月6日

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