『キリスト教の精髄』ガイド

Bob(原文・編)、結城浩(訳・編)

C.S.ルイス『キリスト教の精髄』を読むためのガイドです。

目次

はじめに

『キリスト教の精髄』ガイドへようこそ。 『キリスト教の精髄(せいずい)』は、 C.S.ルイスが書いたキリスト教の入門書です。 この本はクリスチャン、ノンクリスチャンを問わず、世界中の人々に読まれてきました。 この本を通して、どのような教派の人であっても、 本質的なキリスト教神学の基礎を理解できるようになっています。 このガイドの目的は、 ルイスのこの古典的な作品を人々がよりよく理解し、適用する助けとなり、 私たちが生きているこの世界の中で、 それぞれの信仰をもっと強く分かち合えるようになることです。 また、このガイドは、 キリスト教の教義を大づかみでとらえ、 聖書の神に対する基礎的な信仰を得るための大きな助けともなるでしょう。

このガイドを利用するためには、 まず『キリスト教の精髄』を入手して読み始めることをお勧めします。 本を手元に置いて、すぐに読めるようにしておきましょう。 図書館や書店にあるかどうか調べてみてください。

このガイドにはいろんな利用方法があります。 個人的にルイスの本を読むときに使ってもいいですし、 教会の勉強会で使ってもいいでしょう。 人数が多いときには小人数に分かれ、 読んだ個所について話し合う機会を定期的に持つこともできます。

ヒント

  • あなたが、神様についてまだ確信が持てないなら、『キリスト教の精髄』は読むのにいい本です。というのは、この本はさまざまな神観についての全体像を説明し、それらと聖書の神とを比較しているからです。
  • 『キリスト教の精髄』は聖書の代わりになるものではありません。しかし、この本は聖書的な概念をよりよく理解するための助けとなるでしょう。神の言葉である聖書を学ぶことを決してないがしろにしないでください。

翻訳者より

主の御名を賛美し、主なる神様にすべての栄光をお返しいたします。 『キリスト教の精髄』ガイドは以下の方針のもとに翻訳を行いました。

  • 訳語や表現はできるだけ訳書にあわせるように努めました。
  • 設問だけを読んだ場合に内容が誤解される恐れがありそうな部分については適宜言葉を補いました。

訳者は、 このガイドや『キリスト教の精髄』だけに読者の注意が向けられることは願っていません。 これらの文章を通して、 聖書および神さまに読者の意識が向かうように祈り、願っています。 どのようなささやかなことでも構いませんので、 ぜひあなたの感想やご意見をお聞かせください。

なお、『キリスト教の精髄』日本語訳は全国のキリスト教書店などで購入できます。

(2018年追記) この『キリスト教の精髄』ガイドは、 インターネットでやりとりしていたBob氏のページ(The Mere Christianity Study Guide)をもとにして、 1999年頃に許可を得て作成しました。 2018年現在、原文のサイトはなくなってしまい、連絡も付かなくなってしまいました。


第一部 宇宙の意味を解明する鍵としての正と不正

1. 人間性の法則

けんかや やり合いをするとき、 人間は、絶対的に正しい基準というものに訴える傾向がある、とC. S. ルイスは書いています。 ルイスはこの基準のことを「自然の法則」または「道徳的法則」と呼んでいます。

  1. 自分を振り返ってみて、 他人と議論するとき、絶対的な基準に訴えたことがありますか。
  2. ルイスはまた、この「自然の法則」をほんとうに守っている人は一人もいないが、もしも、いや自分は守っているという人がいるなら、その人は例外であって、本書の残りの部分を読まない方がよい、と言っています。あなたはこの例外になると思いますか。

2. いくつかの反論

ルイスは、読者の手紙の中から、彼の「自然の法則」の理論に対する二つの反論を引用しています。

  1. 「その法則は本能から来たものだ」という反論。どうしてルイスは、道徳的法則が単なる人間の本能から来たものではない、と考えているのですか。
  2. 「その法則は社会的なしきたりにすぎない」という反論。道徳的法則は私たちの受けた養育や教育の問題である、という考えをルイスはそうではないとしています。 その理由は何ですか。

3. 法則の実在性

ルイスは、 道徳的法則(自然の法則)は生きており、 人間の生活の中に働きかけてくるものであると結論づけています。

  1. ルイスによれば、「人々は社会を益するため正しい行為をしなければならない」というのは冗長な主張だということです。なぜですか。
  2. ルイスが述べているような「自然の法則」は実在するものであって、人間がでっちあげたものではない、とあなたは思いますか。
  3. その法則はどんな風に私たちに押し迫ってきますか。

4. 法則の背後にあるもの

  1. ルイスによれば、宇宙の創造の背後にある精神を見出すために科学を使うことはできない、ということです。なぜですか。
  2. 人間だけにはあてはまるが、科学者の研究対象となるどんなものにもあてはまらない「一つのこと」とは何ですか。

5. 不安を感ずるのは当然

ルイスは、宗教というものを、 〔訳注: 単なる古くさい話ではなく 〕 道徳的法則によって負った罪からの救いの道として考えなおそうとする 三つの根拠をあげています。

  1. ルイスは宗教についてもう一度考えなおす根拠として、人類はいまもまだ間違った道を歩いているということをあげています。あなたは、人類がまだ間違った道を歩いているとおもいますか。
  2. ルイスは、もしも神が道徳的法則のごときものならば、彼は決して甘くもなければ同情的でもない、と述べています。どうしてこれが衝撃的なことなのでしょうか。また、道徳的法則のほかに神の存在を指し示すものは何かありますか。
  3. ルイスによれば、あることに気づくまではキリスト教はあなたにとって意味をなさない、ということです。その「あること」とは何ですか。

第二部 クリスチャンが信じていること

1. 対立する神観

ルイスは、神に対する信仰の大きな分類について論じています。

  1. 神に対するさまざまな信仰について論じる場合、 何にしたがって分類することができますか。 どうしてルイスはキリスト教が無神論よりも寛容な態度を取れると述べているのですか。
  2. ルイスが論じている、 神についての二つの大きな考え方というのは何ですか。
  3. 汎神論において中心となっている考え方にはどんなものがありますか。
  4. 汎神論とキリスト教との大きな相違は何ですか。
  5. ルイスが無神論者であったとき、 神の存在を否定する主な論拠の一つは、この宇宙が残酷である、ということでした。 クリスチャンになったとき、 この問題に対するルイスの解答はどうなりましたか。

2. 侵略

ルイスは、自分で「水割りのキリスト教」と呼んでいるものについて論じます。

  1. 多くの人が、キリスト教の教義を「単純ではない」という理由で退けています。 この批判に対するルイスの答えは何ですか。
  2. ルイスは善と悪に関する二つの見解について論じています。 その二つとは何ですか。
  3. どうしてルイスは二元論を退けているのですか。
  4. 私たちは敵に占領された領土にいる、というルイスの比喩によれば、 私たちが教会に行く目的は何ですか。

3. 衝撃的な二者択一

ルイスは自由意志、悪魔、そしてキリストの性質について論じています。

  1. 「絶対的な力を持つ存在の意志に反することがなぜ起こり得るのか」 という疑問に対する答えとして、 ルイスが提示している比喩は何ですか。
  2. 被造物が 「自由意志は持つが、誤ったことはできない」 のは可能だと思いますか。
  3. サタンの罪、またサタンが人類に教えた罪とは何ですか。
  4. ルイスが述べている、 サタンのたくらみに対抗するために神がなしてくださった三つのこと、 とは何ですか。 ルイスの「異教に見られるあの奇妙な物語」にあなたは気がついていますか。
  5. ルイスの言う、 「いままでさんざん聞かされてきたので、 耳をかすめただけで通りすぎてしまうイエスの主張」とは何ですか。 どうしてその主張が重要なのですか。
  6. どうしてルイスは、 イエスを偉大な道徳的教師であると呼ぶのは愚かなことだ、 と思っているのですか。

4. 完全なる悔悛者

キリストの贖罪がどのようにして有効に働くかの理論が示されています。

  1. クリスチャンは、キリストが地上に来られた主要目的は何だと信じていますか。
  2. もしも神が私たちをゆるそうと思っているなら、 どうして神は無実の人を殺さずにそうしなかったのでしょうか。
  3. ルイスは悔改めを何と定義していますか。
  4. 完全に悔改めできる人はいるでしょうか。 われわれが悔改めできるようにするために、 神はどのように助けて下さいますか。
  5. キリストは神なのだから、完全な生涯を送り、苦難を受け、十字架にかかることは 彼にとって簡単なことだった、という人が多くいます。 ルイスが、 「それをキリスト教を批判する理由とするのは愚かなことだ」 と考えているのはなぜですか。

5. 実践的結論

キリストの生命の意味が簡潔に述べられます。

  1. クリスチャンが信ずるところによれば、 われわれがキリストのへりくだりと苦難とにあずかるなら、 われわれはまた何にあずかるとルイスは述べていますか。
  2. クリスチャンになることは、 精神的な信仰だけではなく、 どのような身体的行為も含んでいるとルイスは述べていますか。
  3. ルイスによれば、 クリスチャンは神を喜ばせるために善い行いをするのではない、 ということです。 むしろ、クリスチャンが善を行うのは、何のゆえだと述べていますか。
  4. ルイスは、 新生命がクリスチャンに限定されているということに悩まされたものだと認めています。 この問題に対するルイスの答えは何ですか。
  5. ルイスが書いているもう一つの反論は、 どうして神は悪魔に対して正面切って決定的な攻撃を加えないのか、 というものです。 これに対するルイスの答えは何ですか。

第三部 クリスチャンのあり方

1. 道徳の三部門

ルイスは道徳について考えるべきことを三つあげています。

  1. 第一に、個人間のフェアプレーと調和。 ルイスの「艦隊の比喩」によれば、 どうしてこの第一の点で考えをとめてしまっては無益なのでしょうか。
  2. 第二に、各個人の内部が調和を保っていること。 どのようにすればこの二番目の道徳に達することができますか。 またこの二番目の道徳があるとないとでは、 人々の間にどのような違いを引き起こしますか。
  3. 第三に、すべての人生に共通の目的。 どうして「他人に迷惑をかけさえしなければ、別に悪いことじゃない」という考えは、 クリスチャン的な考えではないのでしょうか。

2.「 根元的諸徳」

ルイスは「根元的諸徳」というものについて論じています。

  1. 昔の人たちが試みた分け方によれば徳には七つある、とルイスは述べています。 そのうちの四つは根元的徳と呼ばれ、 三つは神学的徳と呼ばれています。 四つの根元的徳とは何ですか。
  2. 幼な子のようであれ、というのは、 クリスチャンは ばかでもかまわない、という意味ですか。
  3. 「節制(Temperance)」というのは飲酒だけに限定したことですか。 節制とは完全な禁酒のことですか。
  4. ルイスは「正義(Justice)」をどのように表現していますか。
  5. 「勇気(Fortitude)」として二種類が示されています。 その二種類とは何ですか。

3. 社会道徳

人と人との間の道徳について論じ、 クリスチャンだけの社会がどのようなものになるかについて論じています。

  1. キリストは真新しい道徳を説いたわけではない、とルイスは述べています。 すべての道徳教師たる者のなすべきほんとうの仕事とは何でしょうか。
  2. どうしてキリスト教は、 特定時における特定社会に黄金律を適用する政治的綱領を持っていないのでしょうか。
  3. 「教会はわれわれに指導を与えるべきだ」が正しい言明になるのは、 「教会」という言葉がどういう意味で用いられたときですか。
  4. ルイスは、もし私たちが完全にキリスト教的な社会を訪れたならば、 奇妙な印象を抱くだろうと推測しています。 その奇妙な印象とは何ですか。
  5. ルイスは、私たちが基礎としているあるものを、 三つの偉大な文明が非難していると述べています。 その三つの偉大な文明とは何ですか。 またそれが非難しているものとは何ですか。
  6. 慈善(貧しい者に分け与えること)はキリスト教において本質的な部分を占めている、 とルイスは述べています。 慈善についてのルイスのレベルと自分のレベルを比較してみるとどうですか。

4. 道徳と精神分析学

人間という機械に関するクリスチャンによる仕様書。

  1. ルイスによれば、精神分析とキリスト教は矛盾しない、ということです。 道徳的な選択を行う人に対し、 精神分析はどのような形で影響を及ぼしますか。
  2. 怒れば何千人もの人を殺せる立場にいる人と、 いくら怒っても笑われるばかりという人とは、 どんな風に似ているのでしょうか。

5. 性道徳

貞潔(chastity)というキリスト教的道徳について。

  1. クリスチャンが「貞潔」と呼んでいる徳は、 「つつしみ」という社会的規則とどのように異なりますか。
  2. ルイスは食べ物の比喩を使って、 われわれの性本能は狂っているということを示しています。 食べ物の比喩を説明してください。
  3. 「人類が、ある仕方で自己を再生産するという事実、 またそれには快楽が伴うという事実は、別に恥ずべきことではない」というセックスに関する言明は、 クリスチャンの考え方に反しますか。
  4. われわれの性本能は混乱していると思いますか。
  5. キリスト教的貞潔は不可能だと思いますか。 ルイスによれば、不可能のように見えるものに立ち向かうとき、 決してやってはいけないことは何ですか。
  6. 不貞はクリスチャンにとっての最大の悪徳ですか。 そうではないなら、何が最大の悪徳ですか。

6. キリスト教の結婚観

クリスチャンの結婚とそれが意味する多くのことについて。

  1. 人間の性的衝動がもっとも正しく働くのはどのようなときですか。
  2. 聖書の言う「一つの肉」という言葉を現代の表現で述べればどうなりますか。
  3. ルイスは、 性の快楽を単独で取り出すことを、 食べ物の比喩を使ってどのようにたとえていますか。
  4. すべてのキリスト教会は、 離婚は……のようなものではなく、 手術のために両足を切断するようなものである、 ということで一致しています。 離婚はどのようなものではない、というのでしょう。
  5. ルイスによれば、 単なる形式として教会で結婚式を挙げる人々の共通の理由は何ですか。
  6. 教会で結婚をしていながら、永続的な結婚を信じず、 教会で口にした約束を守るつもりが初めからないというのは、 二つの点で罪をおかすことになります。 その二つとはなんですか。
  7. ルイスによれば、 恋愛の情熱は、その二人に何を強要しますか。
  8. 「恋をしている」という状態の終わりが愛の終わりを意味しないのはなぜですか。
  9. クリスチャンの結婚の規則を、 国家の法規で市民全体へ強制するのにルイスが反対している理由は何ですか。
  10. 結婚において男性がかしらである、 という考えを支持する例としてルイスがあげているのはどのようなものですか。
  11. どうして家庭の外交政策を取り扱うのに男性の方が向いているのですか。

7. 赦し

「人をゆるすこと」そしてさらに困難な「敵を愛すること」についての議論。

  1. キリスト教のもっとも恐るべき義務の一つは何ですか。
  2. 私たちにできることで、 敵を愛することを多少やさしくしてくれる二つのものとは何ですか。
  3. 悪行は憎むけれども悪人を憎まない(罪を憎んで人を憎まず)という区別立てを、 ルイスはどのように受け入れるようになりましたか。
  4. 敵を愛せよ、というのは敵を罰するなという意味ですか。
  5. ルイスは、 聖書の「なんじ殺すなかれ」という命令は戦争反対や死刑反対を意味しないと考えています。 それはなぜですか。
  6. 人を憎む(という喜び)を捨てることは酒やタバコをやめるほどつらいですか。 あなたにとってはどうですか。

8. 最大の罪

ルイスはこの世の誰一人としてまぬがれることのできない最大の罪について述べています。 誰でも、他の人の中にその罪を見て嫌悪を感じるくせに、 自分もその罪を犯しているとは(クリスチャン以外は)自認していません。

  1. あなた自身の中にこの最大の罪があることを意識したことがありますか。
  2. 傲慢(ごうまん)に対立する美徳は何ですか。
  3. ルイスが提示している「自分がどれほど傲慢であるかを調べるテスト」とは何ですか。
  4. 傲慢において、競争が果たしている役割は何ですか。
  5. プライド(傲慢)を表すのに使われる別の言葉は何ですか。
  6. ルイスによれば、 自分が神のおん前にいることの何よりの証拠は何ですか。
  7. ルイスが述べている、傲慢に関する四つの誤解とは何ですか。
  8. 謙遜さを自分のものにするための第一歩とは何ですか。

9. キリスト教的愛

キリスト教的愛について。

  1. 人に対して、生まれつき「冷たい」気質は罪ですか。
  2. 隣人を愛するようになる大いなる秘訣の一つとは何ですか。
  3. 自己の胸中に神に対する愛情を見出せないという人へのルイスのアドバイスは何ですか。
  4. われわれに対する神の愛について、 覚えておいたほうがよい大いなることとは何ですか。

10. 希望

ルイスは希望を神学的徳の一つだと述べています。

  1. 天国の思いをもって心を満たしていたがゆえに、 地上に足跡を残した人の成し遂げたことにルイスは触れています。 その偉業は何ですか。 他にはどんな偉業があるでしょうか。
  2. われわれはみな、 天国に対する真実の欲求に対してどのような傾向を持っていますか。
  3. われわれは、人生において最高の恵みを体験するかもしれません。 でも「何か」はわれわれの手からすり抜けてしまいます。 この事実に対する対処の仕方には、間違ったやり方が二つあります。 それは何ですか。 また正しいやり方が一つあります。 それは何ですか。

11. 信仰(i)

ルイスは信仰の二つの意味について論じています。まずその第一の意味について。

  1. クリスチャンが単なる信念を美徳と考えているのは理解するのに苦しんだ、 とルイスは認めています。 ルイスはこの困惑をどのように解決しましたか。
  2. ルイスは信仰をどのように定義していますか。
  3. 信仰の習慣を養う第一歩は何ですか。
  4. 第二の、より高次の信仰について語る前に、 ルイスは謙遜の問題に戻っています。 そして、しばらくの間クリスチャン生活を送るように努力してみることをルイスは勧めています。 そうすると、人間はその失敗から何を発見しますか。

12. 信仰(ii)

信仰の第二の意味について。

  1. 信仰の第二の意味を理解するには、まず何をする必要がありますか。
  2. 人間を神と正しい関係にない存在だと思うのは、 どのように考えたときですか。
  3. おれは眠れるだろうかとばかり考えていると、ますます目がさえてしまいがちだ、 とルイスは述べています。 これは信仰における成長とどういう関係がありますか。
  4. キリストにわれらのすべてをゆだねるとき、 われわれはキリストに従うことを望みます。 しかし、そのとき、新しいやり方で従わなくてはなりません。 新しいやり方とは何ですか。
  5. クリスチャンが非難された皮肉たっぷりの二つの話とは何ですか。

第四部 人格を超えたもの --- 三位一体論序説

1. 造ることと生むこと

生命について、および生命がどのように神と関係しているかについての議論。

  1. 神学とはどういう意味ですか。 あなたは神についての最も明白かつ最も正確な知識を得ることに関心がありますか。
  2. ルイスは神学と地図の間の比喩を述べています。 あなたはこの比喩を説明できますか。
  3. 神の存在についてのある種の感覚を経験することで永遠の命が得られると思いますか。 神を経験することに関してのルイスの批判はどのようなものですか。
  4. ルイスは、彼の時代に人気があった宗教観念、 すなわち「イエス・キリストは偉大な道徳的教師である」という考えについて説明しています。 この宗教はこの世において何も違いを生むことができない、 とルイスが言うのはなぜですか。
  5. 「ビゲット」すること(begetting)と「クリエイト」すること(creating)の違いは何ですか。
  6. 生物でも非生物でも構わないので、この宇宙の中のある事物を考えてみてください。 それはどんな点で神に似ていますか。
  7. 人間の生命と神の生命の違いは何ですか。
  8. ルイスはビオス(Bios)とゾーエー(Zoe)という二つの用語を用いています。 この用語の意味を説明できますか。

2. 三位一体の神

神の人格についての議論。 神の人格が持つ性質と、神の人格が私たちの生命にどのように働くかについて。

  1. 神の概念と人格に関して 「店に並んでいるのはキリスト教的な考え方だけ」 だとルイスが考えているのはなぜですか。
  2. ルイスは神の人格を神的段階にあると表現しています。 人間的段階の人格と神的段階の人格はどのように違いますか。
  3. 三位格について語っても意味がないとルイスが言うのはなぜですか。
  4. クリスチャンが寝室でひざまずいて祈るとき、 ゾーエーの中に捉えられるとルイスは述べています。 これはどういう意味でしょうか。
  5. 「クリスチャンの全集団は、神について知るために最適なただ一つの実験器具である」 というのはなぜですか。

3. 時間と時間の彼方

神が時間の外にいかにして存在するかという議論。

  1. あなたは、 「たくさんの人が同時に祈っている祈りを神が聞いておられる」 という考えを理解するのは難しいですか。
  2. ルイスは神の存在を、小説の作家にたとえています。 この比喩を説明してください。 この比喩があてはまるのはどこまでですか。
  3. 人生を、時間に沿ってわれわれが歩んでいく直線のようなものとして思い描くとき、 神はそれに対してどのような関係にありますか。
  4. 歴史を持つということが、なぜわれわれの現実のある部分を失うことを意味するのですか。
  5. 未来に私たちが行う決心を神は完全に知っておられるが、 人間はそれでも自由意志を持っている、 というジレンマをルイスはどのように解決していますか。

4. 良き感染

ルイスは神の位格がどのように結合しているかを論じています。

  1. 「積み重なった2冊の本」を、 ルイスはどのように「永遠の神と御子キリスト」に関連付けていますか。
  2. ルイスは、について説明するとき、 聖書の言葉から離れることの問題点について指摘しています。 それはどのような問題点ですか。 どうしてルイスは聖書の言葉に戻るのがよいと言っているのでしょうか。
  3. どうして「神は愛なり」という言葉は少なくとも二つの人格がなければ 無意味なのでしょうか。
  4. 「愛は神なり」という言葉は「神は愛なり」とどのように違いますか。
  5. ルイスは、キリスト教と他の宗教とのもっとも重要な相違点はおそらく何だと言っていますか。
  6. ルイスによれば、三位一体の第三位格はどこから生まれましたか。
  7. ルイスは父・御子・聖霊の関係をダンスとして表現しています。 またルイスは、われわれは「善き感染」によって生命を得ると言っています。 ダンスと善き感染について説明してください。

5. がん固なおもちゃの兵隊

ルイスはおもちゃの兵隊の比喩を使って、 クリスチャンがいかにキリストに似たものに変えられていくかを説明しています。

  1. ルイスはこの章をはじめるにあたり、まず「われわれの現状」について思い出させ、 それから「神の御子が人となった目的」を繰り返しています。 この二つのことを説明してください。
  2. われわれ一人ひとりの内にある自然的生命について詳しく説明してください。 どうして自然的生命は他から干渉されたくないのでしょう。 あなたは自然的生命があなた自身の内で働いているのがわかりますか。
  3. ルイスは鉛の兵隊とキリストの比喩を述べています。 この比喩を説明してください。
  4. どうしてキリストがその地上の生活において 常に人間的欲望を殺さなければならなかったかを説明できますか。
  5. 鉛の兵隊の比喩が適用できるのはどこまでですか。
  6. 神は全人類にどのような相違をもたらしましたか。 人間が、自分の努力によって霊的生命への高みへと登るのが不必要なのはなぜですか。

6. 注釈二つ

5章の考えについての二つの説明。

  1. 神はなぜ最初から多くの子を生まず、キリスト教で語られているような方法をとったのか、 という批評家の話をルイスは語っています。 この問いに対する答えは何ですか。
  2. キリスト教の教義は 「人間は一つの体の器官のようなもの」 と教えているとルイスは述べています。 「すべての人を全く同じ人間にしようとすること」は何と呼ばれていますか。 「人々はみな一つの有機体の一部であることを忘れようとすること」は何と呼ばれていますか。
  3. 全体主義的考えと個人主義的考えではどちらが悪いですか(引っかけ問題だよ)。

7. キリストのふりをしよう

ルイスはクリスチャンの新生の概念を二つの物語を使って説明しています。

  1. ルイスによれば、主の祈りの最初の「われらの父よ」という言葉はどんな意味を持っていますか。
  2. 人間がキリストをよそおうことにはどんなよいことがありますか。
  3. キリストはわれわれの見せかけをどんなふうにして真実に転換してくださるのですか。 それは、われわれの良心に耳を傾けることとどのように異なりますか。
  4. 「善き感染」はどのようにして人々に働きますか。 いかなる人間に対しても、全信頼を置いてはならないのはなぜですか。
  5. キリスト教というのは、 キリストが言ったことを読み、 それを実践しようと努力するだけのことですか。
  6. キリストによって変えられ始めるときに発見する二つのこととは何ですか。

8. キリスト教はむずかしいか、やさしいか

クリスチャンとしての生活の困難な部分と容易な部分を調和させる試み。

  1. ルイスによれば、 キリスト教のすべてとは何ですか。
  2. (クリスチャンではない)一人の人が自分の良心に完全に従おうとしたとき、 何が起きますか。
  3. 「良心に従う」やり方に比べ、クリスチャンのやり方はもっとむずかしく同時にもっとやさしい、 とルイスは言っています。 どうしてなのか説明できますか。 またそのむずかしい点とやさしい点を述べた聖書の箇所をそれぞれ引用できますか。
  4. クリスチャンが毎朝行うべき最初のこととは何ですか。

9. 費用を計算すること

費用を計算するというのは 「あなたがたは完全な者となりなさい」 という命令とその意味を理解することです。

  1. ルイスによれば「あなたがたは完全な者となりなさい」という主の言葉の意味は何ですか。
  2. 完全さに関して、主はどんなところが歯医者に似ていますか。
  3. 神は完全さを要求しているのに、 なぜわれわれの善良になろうとする弱々しい努力をよろこんで下さるのでしょうか。
  4. 神様がわれわれの人生で成し遂げようと決められた計画はどのようなものですか。 またそれはどのようにして明らかになりますか。
  5. ジョージ・マクドナルドからルイスが借りてきた「家のたとえ」を説明してください。

10. 好い人間か、新しい人間か

クリスチャンの生活と非クリスチャンの生活を見分けることについて。

  1. すべてのクリスチャンはすべての非クリスチャンよりも、 明らかに気だてが好くなければなりませんか。 クリスチャンに不注意な生活ぶりが見られるとき、 世間にたいしてどのような結果をもたらしますか。
  2. その振る舞いを観察するだけで、 世界をクリスチャンと非クリスチャンを分けることができないのはなぜですか。
  3. キリストのうちにある生活とそとにある生活を比較する際にルイスが用いている 工場の比喩を説明してください。
  4. 気だての好い人も、卑しく短気な人と同じだけキリストを必要としていますか。 神が各人の内に見ておられ、待っておられることはなんですか。
  5. ルイスによれば、 われわれが持っていられる唯一のものとは何ですか。
  6. ルイスは円満な世界は悲惨な世界よりも救いがたいと考えています。 なぜですか。

11. 新しい人間

クリスチャンに起こる変化を、ルイスは進化を使って説明しています。

  1. ルイスは、人間の進化の次の段階を何だと言っていますか。
  2. 「新しい段階」というのは前の段階とどのように異なっていますか。
  3. どうしてキリストは、 新しい人間の一つの単なる見本ではなく、 新しい人間そのものなのですか。
  4. 新しい人間かどうか、どのようにしてわかりますか。
  5. キリストのうちにある人間はみな同じように見えますか。 どうしてキリストのうちにある人間とは光や塩のようなものなのですか。
  6. 人生を上から下まで貫いている原理とは何ですか。

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